甘く苦い、毒牙に蝕まれて



そもそも私は、宮原さんの気持ちが本物だとは思えない。

疑いが強くなっていくばかりで、私は思い切って聞いてみる事にした。



放課後、帰り支度をしている宮原さんに話しかけた。

「宮原さん、ちょっといい?」


「あ、まひろちゃん。どうかしたの?怖い顔しちゃって」


ヘラヘラと、幸せそうに笑っちゃって。

心底イライラする。

必死に平静を保って、私はある疑問をぶつけた。


「宮原さんってさぁ……本当に好きなの?万桜の事……」


「えっ?」


「だって……今まで、全然話したりしてなかったし、接点もないし……」


「ふーん、私の気持ち……疑ってるんだぁ」



少し、鳥肌が立った。

この時の宮原さんは、顔は笑っているのに、目は全く笑っていなかった。

気味が悪い、とさえ思った。



「ふふっ、心配しなくても私、ちゃーんと好きだよ?万桜くんの事」

満面の笑みでそう言い切った。
かと、思った次の瞬間。



「……なーんて、言うと思った?」

さっきまでとは打って変わって、無表情で、低く小さい声で吐き捨てるように言い放った。