ランドル王国にはカトレアを持つ魔法師、カトレアを持たない一般人の学校と別れている。

そして、カトレアの持つ魔法師が通う魔法学校はランドル王国で3つある。

クランベル魔法学園、
アルギス魔法学園、
セスリ魔法学院。

通称、
王都クランベル、要塞アルギス、聖都セスリ。

クランベルは王都にあり3つの中で最も難関な学校である。
生徒の3分の2は貴族であり、腕も良い。

その学校にリュカも通うと言うのだ。

「まぁ……実際はもう1つ学校があったのだがな。」

洸岳は言いにくそうにする。

そう、ランドル王国には4つの魔法学校があったのだ。

もう1つ学校 と聞いた瞬間リュカは眼を少し細める。
そして口をひらいた。

「王都クランベル、要塞アルギス、聖都セスリ……地下のクランですか」

「……そうだ。知っていたのか」

洸岳は眼を見開きリュカにとう。

「はい。私の父と母はクラン魔法学校の教師で私はそこの最後の生徒なので。」

リュカは頷く。

地下にあるクラン魔法学校はリュカが初等部1年生の時に、

当時グルテカ1の暴力団(全員地上の犯罪者)によって学校、教師、1部の生徒が殺された。

その中にリュカの両親もいたのだ。

「そうだったのか。」

洸岳は フム と手を顎にあてて考えた。

「屋敷に帰ったら、どこまでの知識があるか調べてみよう。

大丈夫だったら明日から学園に通ってもらおう。」
「えっ……」

洸岳の言葉にリュカは言ったことを後悔した。

それからリュカは地上のことを教えてもらった。

これからリュカは緋位家に預けられた子どもとなる。

地下から名のある魔法師は貴族に養子として入ることも少なくはない。

『リュカ…覚えてる?』

いきなり人針が言うためリュカは ビクッ と肩が縮まる。

(びっくりした。覚えてるって?)
『もちろん、守護者の話し』

リュカは ああ と思いだす。

(覚えてる。けど今は言わない方がいいでしょ?)

そうね と人針は頷くように言って消えた。

(今は地上に慣れることだ)

リュカは はぁ とため息をつき、 なんでこんなことに と思うのだった。