「まだ、慣れない?」

リュカを心配している洸輝は隣に座ってリュカをのぞきこむ。

「……眩しい」

目を開けようとするも明るい光が入り込みすぐ閉じてしまう。

(闇の街と光の街の風景だけでなく日光にも差があるなんて)

リュカは閉じた目で闇の街と光の街の差を思いしるのだった。

『……リュカ』

そのときリュカの頭の中から声が聞こえた。
高めのトーンで女性の声だとすぐに分かる。

(あれ、ひーちゃん。珍しいね出てくるなんて)

ひーちゃんこと人針はリュカに向かって提案を出す。

『影の魔法を使えばいいじゃない?
そうしたら目は安定するんじゃないかしら』

人針の提案に 忘れてた と言いたげな表情をするリュカ。

影は闇の魔法の1つ。
影の魔法しか使えないのが普通だが、知っている通りリュカは特殊である。

リュカは自分の目に手をあてて魔法を放つ。

「影膜 (えいまく) 」

リュカは眼にコンタクトのような膜をつくり光を弱める。

影膜は時間がたつにつれて膜が薄くなっていくため眼を慣らせるにはうってつけだ。

「……見…える…うわ!」

リュカはゆっくり目を開ける。
ピントがあったとき顔をのぞきこんでいた洸輝の顔が近くにありビックリするリュカ。

「大丈夫なようだな……時間もあるな。」

洸岳は外を見て、またリュカを見る。

「リュカと言ったな君のことを知りたいんだが……」

洸岳が言うとリュカは頷いて自分のことを話し出した。