「…………」
リュカは何も喋らず洸輝の後を歩く。
地上への階段は上位者からと決まっているため、最前列は護衛の兵士ではあるがその次は洸岳そして洸輝、リュカと続いている。
「……わっ!……」
ようやく長かった階段を上りきるとまぶしい光がリュカの目を直撃した。
リュカは咄嗟に目を瞑りその上から手を添えてその場に崩れ落ちる。
「大丈夫?……そっかリュカはずっと地下にいたからか」
太陽の光を浴びるのは穴から射す光だけで、その光も地上の光とは比べ物にならないほど薄いものだ。
「フム……いくら魔法師と言っても流石にこれはな……」
洸岳も腕をくみ悩む。
カトレアを持つ者=魔法師は怪我の治りは早いが洸輝のような特殊な者はその倍治りが早い。
リュカも洸輝と同じだ。
しかし、治りが早いだけで調整することは難しい。
洸輝は元々地上に居たため、1ヶ月程度ならばすぐに目が慣れる。
しかし、リュカは生まれた時から地下にいるため地上の太陽の明るさを知らない。
どう調整すれば良いのか目がわかっていないのだ。
「なら俺が……」
と洸輝はリュカを抱き上げる。リュカは驚きあたふたする。
何をされたのか最初は分からなかったものの
今、自分は抱き上げられていることに気づき恥ずかしくなる。
「ちょ……洸輝!」
リュカが暴れるが洸輝は 危ないからじっとして と軽々と持ち上げたまま歩きだした。
門の近くには馬車がありそれに乗って緋位家がある屋敷に向かった。


