ここは地下の街グルテカ 

魔法と鉱石で有名なランドル王国の地下にある街。
通称 闇の街

地下だからもちろん空はない。
あるのは岩、岩、岩。
所々穴が地上に伸びていて、光が照らしているから真っ暗というわけではない。

だし、地上が晴天の日だけだが。


「ぅおい!そこのガキ。いてぇんだけどぉ
あやまらんかぁ、ヒヒヒ」

ここはグルテカ、犯罪者も多い。
こんなやつらなんて普通にいる。

「……そっちがぶつかってきたんでしょ?
大人がそんなことするなんて…みっともない。」

怒らせてはいけなさそうな男4人に怒らせる言葉を普通に言うフードを被ったこども。

声音から少女だろう。言葉はもっともだが。

「なっ……ハハハハ言うじゃねぇかこのクソガキが!」

金髪の男が少女に向けて殴りかかった。

「はぁ。なさけない。」

少女はため息をついた。瞬間消えた。

「っ…どこいきやがった!」

男4人はキョロキョロと周りを見るがいない。
あるのは古びた家ばかりだ。

「っつ…!!!…いてぇ」

その時、1人の男が悲鳴をあげた。
よく見るとその男の足に千本(針を少し大きくした武器)が刺さっている。

「ここですよ。」

少女の声がした方向に男たちは自然と目がいった。

少女がいたのは古びた家の上。

しかも座っていた。

「ちっ!だったら、クロノス」

そこで金髪の男は1つの銃を召喚した。

この世界では生まれたときに1つの属性の魔法と1つの武器をさずかる。

それは死ぬときまで共に過ごす相棒のような存在だ。

その証拠に自分の左手と武器のどこかに“カトレア”という花の紋章がある。

ただし、この性質をもつのは一部の者しかいない。

この男は一丁のハンドガンが武器らしい。

「……ひーちゃん」

少女は慌てることなくまた千本をいくつか召喚する。

「ダークストライク」

すると千本が黒い塊になる。
銃の玉が向かってくるが黒い塊がすべて打ちおとした。

「なっ!」

男はびっくりしている。
それもそうだ銃の玉はすべて撃ち落とされた。

しかも一発で……

「ふあぁ。眠くなってきた。もういいかな?」

少女は男たちの前に降りてくる。
そのとき、被っていたフードが脱げた。

クリーム色のフワッとした髪に赤紫色の瞳をしている。

そして、眠そうな顔だ。

「おっ……お前は!グルテカの魔女!ヒィィィ!」

男たちはそのまま逃げていった。

グルテカの魔女と呼ばれた少女はため息をつき、フードを被ってまた歩きだした。