光から闇へ、闇から光へ


クロンカトの岩場はグルテカでは最大で、真ん中がぱっくり割れておりその間から川が流れている。

地上の者からすれば地下水である。

その川の横を奥まで歩くと急斜面の岩場にいくつかの洞窟がある。

「あそこにいると思いますよ……僕はここで待っています。」

グレンに言われ洸輝はうなずく。
グレンが指した洞窟は岩場の一番上にあった。

「よし。」

洸輝は岩場を飛ぶようにして上まで行った。
洞窟の奥は暗くて見えない。

「点火(とぼし)」

洸輝は手のひらサイズの火を作り、辺りを照らす。

まだ、奥に道がある。

洸輝は辺りを警戒しながら奥へと歩を進める。

自分のところ以外は暗くてとても静かだ。
お化けかなにかいそうだなと洸輝は思った。

どれぐらい歩いただろうか、入口の光は見えなくなり洞窟の上にはコウモリがこちらを見据えている。

と、洸輝の目の前にクリーム色の髪が照らし出された。

「リュカ!」
「えっ洸輝!なんでここに……」

洸輝の姿にびっくりし勢いよく立ち上がった。

「ちゃんと、話がしたかったからグレンにこの洞窟のことを教えてもらった。」

洸輝は真剣な顔で言った。
そんな洸輝にリュカは逃げることを諦めて 分かった と頷いた。

「父上がいきなりあんなこと言って、ごめん。
でも、ちゃんと理由があるんだ。」

洸輝は自分の家のことを説明し、リュカの命が危ないため保護したいと言った。

「あと……僕がカトレアンってことは知ってるね」

リュカは コクッ と無言で頷いた。

「本当は隠してることがあるんだ。僕には……」

洸輝が本当のことを言おうとしていたら、突然リュカが言った。

「洸輝の武器って剣だけじゃないよね?」

まさに洸輝が言おうとしていた内容だったことに洸輝は目を開いて驚いた。

「分かってたの?」

洸輝は今まで自分から言わないと武器を2つ持っているとは誰も思わない。

それを、一発で当てられたことに驚いている。

「うん、まぁ。会ったときからそんな気がした。」

リュカはそう言って どうなの? と聞く。

「……うん。その通り、僕は剣と銃の武器を授かった。」

この世では1つの属性に1つの武器が絶対。

洸輝が2つの武器を授かるのはこの世で初めてだと父親は言っていた。

そのことを知るとさらに襲われる、拉致されることが多くなる。

このことは地上のランドル王国の上層部の者しか知られていない。

そのため、地下の者は尚更知らない。
知っているのはリュカだけとなる。

「だから、口止めとして……かな。魔法も使ったしね」

「口止めって…今明かさなかったらよかったんじゃ……」

ジー っと洸輝を見ていると洸輝は苦笑いをした。

「まぁ、そうなんだけど何て言うか、リュカには隠したくないって思って……」

言いづらそうにしている洸輝を見てリュカは クスッ と笑った。

「……本当はここにいたかったんだけどね……
……分かった。地上に行く……」

諦めたのか、手をあげて降参の合図をした。

「本当か!よかったー」

洸輝は一安心して、リュカに手を伸ばした。

「それじゃあ、地上でもよろしく!」

そう言われて、リュカは明るい表情で よろしく! と言って手をとった。