光から闇へ、闇から光へ


少年はリュカと同じクリーム色の髪に猛火の炎の色をした瞳をしている。

「お前は?」

洸岳は目を細めて言った。

少年はリュカと同じく怖がっている様子は一切なかった。

「……僕の名前は火波 グレン。
       リュカの従兄弟です。」

グレンと名乗る少年は洸輝と同じぐらいの身長で ニコニコ していた。

「本当にいたのか……リュカの従兄弟」

お店でリーサにとっさに偽名を言ったリュカだが、実在していたらしい。

そのことに驚き、ボソッ と小声で言った。

「僕は、アステカから来ました。

リュカにかわりここを守るよう通達があったんです。

なのでリュカを地上へ連れても大丈夫ですよ。

もっとも、リュカはそれでも地上には行きたがらないでしょうけど」

グレンが住んでいた町は王都から離れた山奥の地下にある。

リュカが言った通り、1週間やそこらではグルテカまで着かない。

「……そうか、そこの女、それでいいかな?」

洸岳が聞くとリーサは はい とも いいえ とも言わなかった。

彼女らから見ると、ただ町を守っているだけの存在ではなく深い絆を持っている。

生きていくのに精一杯なのに、リュカは助けてくれた、協力してくれた。
それだけでも、地下の人々にとっては嬉しいのだ。

その少女が急にいなくなるのもまた悲しく、不安になるのだ。

「大丈夫ですよ。リュカは地上に用があるんです。
帰ってくるかは分かりませんが、僕がこの町を守ります。

これは、リュカや僕たちの務めですから。

それに、リュカは地上へ行ったほうが幸せになると思います。」

グレンは優しい声でリーサに言った。

地下の者からすると、地上は恐ろしい世界ではある。

が、リュカの従兄弟がそう言うのなら信じようとリーサは頷いた。

「……わかりました。」

だが、やはり不安は残っていた。

「大丈夫だ。地上へ行っても奴隷のようなことはしない。」

洸岳もそう言ってまた歩きだしつられるように洸輝も歩き出した。

グレンは案内をするように洸岳たちの前を歩く。

そして、リュカの家が目の前にあった。