リュカが走り去って行った後、洸輝は父親を睨む。
「なぜ、捕まえるのですか」
怒りはあったが落ち着いた口調で聞いた。
父親はやっと洸輝を見て言った。
「地下の者は何をするか分からん。
お前は緋位家の神童と呼ばれていた、そのことを忘れるな。
命を狙われることもある。特に地下ではな。」
そこで、洸輝は何が言いたいのか分かった。
「情報が漏れないための口止めと彼女の保護……ですか?」
渋々口にした洸輝に父親は頷いた。
緋位家は国と国との争いに関わりがあるため命も狙われることがある。
そのため、その情報をめぐってリュカを捕らえようとするかもしれない。
そのことを考えると目の届く所においたほうがいい。
「殺す……と言う手もあるが緋位家の最も嫌うことだからな。」
洸輝の父親は微かに笑顔を見せる。
顔は怖そうに見えて根は優しい。(怒ったとき以外は)
「ですが、突然と言うのも…」
洸輝は困った顔をする。
いきなり、捕まえろと言われてしまえば逃げるに決まっている。
「うむ……住まいはどこにある?」
父親は洸輝に問う。
洸輝は頷いて町から離れた一軒家を差した。
「あそこです。あそこで1人暮らしらしく……」
父親は フム と頷いてその方向に向かって歩き始めた。
もちろん護衛の兵士も何人かいるが、洸輝も合わせて驚いた。
「どこに行くのですか」
洸輝は慌てて父親を追いかける。
父親は何も言わずリュカの家へと進んでいく。
「あの……」
商店街を歩いていると1人の女性が声をかけてきた。


