「えっと、名前は火波 グレン (ひなみ ぐれん)で、私と同じ16歳です。」
リュカは少し慌てていたが落ち着いて嘘をつく。
「そう、グレンね! いい名前じゃない!!
私はここの店長の並弓 リーサ(なみゆみ リーサ)よ
仕事はリュカちゃんに教えてもらってね!」
そう言って女店長のリーサは奥へと行った。
「どうして、火波 グレン なんだ?」
洸輝は疑問を持ちながらリュカに問う。
「当たり前でしょ、地上で有名なのに地下で有名 じゃない なんてことはないよ!
そもそも、ここは酒場でありながら情報を得る場所でもあるんだよ?
もちろん、地上のこともね。」
リュカは人差し指をたてながら、洸輝に説明する
「なるほど。」
洸輝は合図ちをとって納得する。
もし、緋位 洸輝 とばれてしまえば地下の人々が何をしてくるか分からない。
「あと、ここの酒場は情報が1番集まる所なの。
地上で洸輝のとこも出るかもしれない。」
リュカはテーブルを台拭きで拭きながら洸輝に言う。
洸輝もリュカにならってテーブルを拭いている。
「いらっしゃいませ~」
と、他のスタッフの声が聞こえて洸輝は振り替えってみると男4人の客が来たようだ。
男4人はグルテカの住人とは少し違う服装をしている。
この街の人ではない。
その男4人の話し声が聞こえてきた。
洸輝はテーブルを拭きながら耳をすませる。
「そういや、地上の貴族が穴から落ちたらしいぜ…ヒヒヒ」
「ワハハ…なんだそりゃ、間抜けだなそいつは」
と言うものだから カチン と怒りがつのる。
そんな洸輝を見ていたリュカは 我慢だよ と小声で言ってさっさと奥に行ってしまった。
その後を追うように洸輝も行こうとしたが、男たちの話がまた聞こえた。
「そいつの名前は 緋位 洸輝って言うらしい」
「ほー、緋位家かー…そいつを見つけたら金になるなー」
「落ちて来たのがここらしい」
「そりゃいいなぁ、地上の者(もん)だったら、高く売れるぜぇ」
「おお!ちょうどいい手土産になるじゃねぇか」
(うわー、捕まえる気満々だ)
洸輝はその場から急いで離れながら、リュカに会って良かった、感謝だな と思った。
「服と偽名、役に立った?」
奥に行くとリュカが待っていた。
どうやら、男達の声は聞こえていたらしい。
「全くだな。だけど、服で分かるものなのか?」
「そりゃね、あの華やかで汚れ1つない綺麗な服だとすぐ分かる」
洸輝が問うとリュカは即答した。
それだけ目立つのだ。
「注意しないとな」


