――そんなキサが好きだよ。 ……言いたかった。 言いたかったけど、寸前で遮られた。 「いた!!」 「歌乃、誠!」 そう、この松坂姉妹に。 「いきなりいなくなってビックリしたよ」 「あ……ご、ごめん……」 二人の奥で歌呑姉が両手を合わせてあたしに謝ってるのが見えた。 ……どうやら歌呑姉だけは何となくわかっていたみたい。 でも……さすがはあの天然お母さんの血を引く二人。 鈍感だ。 「ごめん、一応止めたんだけどさ……」 その後姉から聞いたことだった。