理事長は席から立ち上がると、ビシッ!と俺を指差した。
「五十嵐律くん。あなたはスポーツ推薦で我が校に入学しながら、半年で部活を退部。喧嘩や補導が日常茶飯。そして、今までの定期テストの結果が全て赤点!!」
思い出したくない過去と、突きつけられた事実に、俺は「ゔっ…」と声を漏らす。そんな俺を指していた指は、次に隣に立っている優等生へと向けられた。
「白鳥政宗くん。あなたはテストでは常に満点で素晴らしい頭脳を持っているわ。…が、授業への出席日数が圧倒的に足りない!!」
えっ、こいつめっちゃ頭いいみたいだけど、授業出ないとか馬鹿なのか?!
なんて驚いていれば、白鳥は平然と、
「授業なんて聞くだけ無駄です。」
と言ってのけた。
いやいや、無駄にキリッと眼鏡上げてんじゃねぇ!!
そんな白鳥を無視して、理事長は白鳥の隣のチャラ男を指さす。
「鳴海恭弥くん。あなはた女性関係の問題が多すぎよ。…ましてや女教師に手を出すなんて言語道断!!」
えええ!!こいつめっちゃ破廉恥じゃん!!
これまた驚いていれば、鳴海は「あちゃ〜!バレちゃったか〜!」なんて呑気に笑う。
……やべーよ、やべーって、こいつら。
あ、いや。俺もやばいんだった。



