お姫様のメランコリー



「………」

「………」

「………」

「………」


てか、気まずっ!!

高級焼肉弁当食べてるのに、全然楽しくねぇ!!

なんだこれ!!地獄か!!


こう思ってるのは俺だけでないらしい。

それを証拠に、俺達3人はぐるりんとソファーの後ろに顔をやった。

たぶん沈黙に耐えかねた。



「おいっ!鳴海、お前女子の扱い上手いっつってたじゃねーか!なんか面白い話しろよ!」

「いやいや、あれは完全に無理っしょ〜」

「ふっ…得意分野とか言ってたくせにな」

「白鳥くんこそどうしちゃったの〜?いきなり挨拶しちゃってさ〜」

「お前達が頼りないから僕が先に口を開いてあげたんだろ?」

「はいそこー!何ですぐ喧嘩っぽくなるかなー?!」



コソコソと話す俺達を無視して、西園寺は黙々と弁当を食べている。半分くらい食べ終わってから、西園寺は弁当に蓋をして、箸を置いた。

えっ…、全然食べてねーし。てか、またピクリとも動かなくなったし。


「………」

「………」

「………」

「………………〜んだーーー!俺こういうまどろっこしいの無理!!」


俺がそう叫ぶと、鳴海と白鳥は驚いたように俺を見る。


いきなり大声出したからその反応が正しんだけど、西園寺は安定の無表情。

もう分かった!!

コイツが常に無表情で笑わないことはもう十分分かった!!


俺は弁当を食べていた箸でビシィッと西園寺を指差した。




「俺達はお前を笑わす為にここにいる!!」