そんな言葉を失う俺達を他所に、理事長は西園寺姫乃を俺達の前のソファーに座らせた。
その仕草にも、目を奪われた。
「姫乃、今日からこの3人とできるだけ一緒に過ごしなさい。予定のない昼休みや放課後…そうだ!休日だって出かけてもいいわ!」
テンション高めで理事長はそう言うが、普通だったらいきなりそんなことを言われたらどうしてだろうって疑問に思うはず。
それなのに、西園寺姫乃は理由も聞かず、無表情のまま、「はい。分かりました。」としか言わない。
声も、凛としていて、感情の籠っていない、そんな感じの声色だった。
「今日は親睦を深めてもらう為にこのままあなた達だけでランチにしなさい。お弁当はこちらで用意させてもらったわ」
理事長がそう言うや否や、校長がいそいそと俺達の前にお弁当を置いて行く。
うおっ?!あの高級焼肉弁当じゃねーか!!
さすが理事長!!金持ち!!
西園寺姫乃はお弁当を置かれる時でさえ、ピクリとも動かない。
………まじ人形じゃん。



