「3人が来てくれて良かったわ……」


そう言って立ち上がった理事長は、「ここに座ってちょうだい」と俺達を来客用のソファーへと促した。

俺達は片面のソファーに全員で座り、テーブルを挟んだ向かい側のソファーに理事長が座った。



「…この前も言ったけど、あの子を笑わせるのは簡単なことじゃないわ。それでもやってくれるわね?」


理事長はまるで、もう、後戻りできないとでも言いたそうな、真剣な目をしている。


やってくれるわね?なんて聞いてきたけど、


「はなっから、拒否権なんてねーだろ」

「同意見だ」

「俺も〜」

俺がそう言うと、白鳥、鳴海も続いた。

だってこのチャンスをものにしなかったら、留年だぞ?留年!!

母ちゃんに出てけー!とか言われそうだし。



「それもそうだったわね」フッと笑った理事長が、




「姫乃、……いらっしゃい」



理事長の隣へと続く扉に声をかけた。