♢♢♢律side
遂に、理事長の孫、西園寺姫乃との対面の日がやってきた。
……無駄に緊張してのは……、なんでだ?
この前と同じ昼休み、理事長室へ行けば、白鳥と鳴海が扉の前にいた。
俺を見るなり、白鳥が、眉間に皺を寄せながら眼鏡を上げる。
「遅い」
「え、待っててくれたのかよ。わりぃな!」
まさか、待っててくれたとは。
まぁ、でも俺達はこれからチームプレイをしなきゃだからな。
当然っちゃ、当然だ。
「はい。揃ったことだし、開けるよ〜」
ポケットに手を突っ込んで、ダルそうに立っていた鳴海がコンコンと、理事長の扉をノックして部屋に入る。
ちなみに、「失礼します」とちゃんと言ったのは白鳥だけ。
部屋に入れば、前回と同じ理事長が机に座っており、その隣に校長が立っていた。
あれ……?
西園寺姫乃は……?
たぶん、そう思ったのは俺だけじゃない。
部屋に入るなり、白鳥と鳴海もキョロキョロと辺りを見回している。