放課後、キミとふたりきり。


目の前の矢野くんはわたしが見る限り不思議なほどいつも通りで、とても明日転校する人には見えないのだ。

つまりわたしに話す気は、まるでない。


やっぱり完全な人選ミスだと思った。

わたしなんかよりも、もっとコミュニケーション能力が高くて、会話を広げられる人は他にいくらでもいたはずだ。

いったいどうしたらいいんだろう。

内心頭を抱えていると、話題がいつの間にか「なんだかんだ、肉だよな結局。シーフードはない」と、最初に戻っていた。

「食った気しねぇよ、シーフード。沢井も家でシーフードカレーなんて食わないだろ?」

「家では作らないけど……でも、なかなか食べる機会がないから良かったのかも」

「んなわけねーだろ。沢井だって肉が良かったんなら、あの時ちゃんと言えよ。お前が言わないからあいつら調子に乗って勝手に決めたんだぞ」

「ご、ごめんなさい……」


おかしいな。

またわたし、謝っている。

しかもよくわからないまま、流されるように。