矢野くんが作業に戻るのを見ながら、机の中に入れておいたスマホを手に取る。
こっそりと確認すれば、さっき出ていった茅乃からのメッセージが来ていた。
―――――――――――――――
茅乃<(困ったらすぐ相談して。みんなついてるよ)
―――――――――――――――
気遣いが逆にプレッシャーに感じ、背中がずんと重くなった気がした。
また驚いて挙動不審になるのも困るので、通知音を切っておく。
スマホを机の中に戻し、意味もなく咳ばらいをした。
とにかく、まずは会話だ。
会話をしなければ何も始まらない。
矢野くんから真実を引き出すことも出来ない。
机の下で「よし」と小さくこぶしを握り、目の前のターゲットの様子をうかがう。
目を伏せ、難しい顔をして写真を切る彼の机には、いくつか切り終えたものが重なっていた。
「あ、あの。切り終わったやつ、貼っていくね」
「おー。つか、こんな感じでいいの? 形とか」


