じょきんというハサミの音や、ペンケースを漁る音だけが静かに繰り返される教室に、突然高い電子音が響いた。
驚きに肩が跳ね、机の上のペンがいくつか床に落ちていく。
「ご、ごめんね……っ」
慌ててペンを拾おうとかがむと、さらに2本3本と落ちてきて、自分のどんくささに顔を覆いたくなった。
しかもなにを真剣に作業しているのか。
いや、真剣に作業をするのはいい。手を抜くのは良くない。
そうじゃなくて、自分に課せられた使命が完全に頭から抜けていた。危なかった。
真面目にアルバムを作って終わるところだった。
ペンを拾い席に戻ると、前からペンを1本差し出された。
「こっちにも1本落ちてた」
「あ……ありが、とう」
ピンク色のペンを受け取り、引き寄せる。
なんとなく、手元にある7本のペンのうち、ピンクのペンが特別輝いて見えた。


