「アルバムなぁ。いいと思ったけど、実際見るとでかいし重いし、正直邪魔じゃね?」
何気なく放たれたひとことに凍りつく。
取り返しのつかない、大きな間違いを犯したような気持になった。
「そ、そう……かな」
「データで渡した方が楽だし、邪魔にもなんねぇと思うけど。ま、いまさらか」
少し後悔したように言いながら、買ってきたアルバムをビニールから出し広げる矢野くん。
まっさらで真っ黒なページ。
ここにこのクラスの、彼が過ごしてきた時間を、ひとつずつ思い出しながら貼り付けていく。
それは黙っていなくなろうとしている彼にとって、重くて邪魔なものになるのだろうか。
もしかしたら、わたしはこれからとても独りよがりなことをしようとしているのかもしれない。
そう思ったけれど、それこそいまさらだ。
もうどうしようもない。
机の下でスマホを握りしめながら、改めて「絶対にムリだ」と内心頭を抱えた。


