「ちょっと相談があってー」
「コモリンの意見が聞きたいんだよね」
「それは構わないけど……」
女子たちの勢いに捺され気味になりながら、小森先生が救いを求めるようにわたしたちを見た。
そんな捨て犬のような目で見られてもどうしようもないので、そっと視線を反らす。
「話長くなるかもだから、ジュースでも飲みながらさ」
「とりあえず自販機へゴー!」
「わっ。わ、わかったから引っ張らないで……」
「早く早く~」
逃がすまいとするように、みんな小森先生をがっちり囲んだまま、あっという間に教室の外へと連れ去って行ってしまった。
矢野くんと唖然としながらそれを見送ったあと、茅乃だけがひとり教室に戻ってきた。
「はーいお待たせ! クラス写真の第一弾だよ~」
わたしたちの間に流れていた重い空気を払うような、茅乃の明るい声が響く。
正直、助かったと思った。
わたしに向かってひとつウインクを寄越した茅乃に、口パクで「ありがとう」と伝える。


