放課後に男女ふたりがショッピングセンターで買い物なんて、まるでデートみたい……などと考えている余裕が私にあるわけがない。
学校を出てからここにたどり着くまで、そして着いてからも冷や汗が止まらずにいる。
どれくらいの距離をとって歩けばいいんだろう?
横に並んで歩くのと、少し後ろを歩くの、どちらが正解?
なにを喋ればいいんだろう?
むしろ黙っていた方がいいんだろうか?
そんなことばかり考えて、結局微妙な距離をあけて少し後ろを黙って歩いていた。
矢野くんもきっと、私の存在を持て余している。
私みたいなつまらない女とふたりきりにされて「やってらんねー」とか思っているにちがいない。
彼にはただでさえ嫌われている自覚があるので、とにかく不快感を与えないようついてまわっていた。
「げ。アルバムってすげー高いのな」


