メンバーみんなから、次々に天才だのさすが学級委員だのともてはやされ、苦笑いを浮かべる。


やってしまった。

はやくも後悔の波が押しよせてくる。


けれどなぜか、心は妙に晴れやかだ。

もうこれで後には引けなくなった。

やるしかない。


みんなの為に、彼の為に、そして自分の為に。


そこからは栄田くんがテキパキと、係を決めてみんなを振り分けていった。

買い出し班や写真の印刷班、他にもわたしへのフォロー班も。


どうしてだろう。

逃げ道がなくなり覚悟が決まったからか、ちょっとだけわくわくしている自分がいる。

緊張も不安も消えてはいないけれど、みんながいると思えば少しは前向きにもなるし、気持ちを強く持てる気がした。


前方の席に座る、矢野くんの広い背中を見つめ、ひとり小さくうなずく。


がんばろう。

矢野くんと、ちゃんとお別れできるように、がんばるんだ。