放課後、キミとふたりきり。


そういえば、教室で矢野くんに聞いたんだっけ。

後悔はないのかって。

でもどうしていまその話になるのかわからず、首を傾げる。


続きを待って黙っていると、矢野くんがアルバムを抱え直し、言いにくそうに口を開いた。



「俺の後悔は……好きな奴に、優しくできなかったこと」

「え……」



その好きな奴というのは、藤枝さんのこと?

それとも……わたし?


話の流れ的にはわたしのような気がするけれど、やっぱり好かれていた実感がないのでピンとこなかった。



「……実は俺、中学の時、沢井の絵を見たことがあるんだ」

「え? 中学の時……?」

「市のコンクールで賞とっただろ。あの時、展示されてるの見に行ったんだ。小学校からのダチがまぐれで市長賞とったから、からかいに行ってやろうぜって、同じ小学校出身の仲間で」

「そ、そうだったんだ……。なんだか、照れくさいね」