目を細める藤枝さんに小さく頭を下げ、廊下へと向かう。
「お前ほんと邪魔」
「邪魔じゃないもん。役に立つもーん」
背中でふたりの会話を聞きながら、邪魔なのはわたしだなと思い、教室をあとにした。
机を立つ時、なんとか手に取ることに成功したスマホを握りしめながら、廊下を無意味に急ぐ。
誰もいない階段脇まできたところで、大きく息を吐きうなだれた。
「だめだなぁ……」
本当に、全部だめ。
何もかもがだめ。
自分のだめさにがっかりして笑えてくるほどだ。
もう教室には戻りたくない。
このまま帰ってしまってもいいんじゃないだろうか。
わたしがいても、サプライズの役には立てないし、矢野くんと藤枝さんの邪魔になるだけだ。
わたしに出来ることはない。
役目のないわたしに、居場所なんてないのだ。


