言い返さないわたしに、矢野くんは失望したように視線を下げた。
「そういうとこ、ほんと腹立つ」
痛いくらいの沈黙が再び訪れた。
こんなにも教室を居心地悪く感じたことはいままでない。
ショキンという写真を切るハサミの音が大きく響く。
写真を貼りつける手が小刻みに震えてしまうのを止められない。
もう絶対に無理だ。絶望的だ。
みんなに連絡して別の人と交代させてもらおう。
そう思った時、カタンと入り口の方で音がして、わたしと矢野くんは同時にそちらを見た。
「いたいた、瞬。なにやってんの―?」
藤枝さんだった。
心なしか、さっき会った時よりも唇や頬が淡く色づき、目もぱっちりして見える。
全体的に輝きを増した藤枝さんが、ニコニコ笑いながら教室に入ってきた。
「言っただろ。小森のサプライズの準備。つーかお前、何しに来たんだよ」
矢野くんの睨みもどこふく風で、藤枝さんはわたしたちの机の横に立った。


