放課後、キミとふたりきり。


「そうそう。わたし部活休むこと言うの、すっかり忘れてて。わざわざ気にして来てくれたんだって」

「ふーん。……仲良さそうだったな」


なんだか試すような聞き方に、思わず首を傾げる。


「そう、かな? うーん、そうかも。うちの部、みんな仲良しだし」


物静かな部だと思われがちだけど、意外に部活中はみんな和気あいあいとおしゃべりしながら、それぞれ作業をしている。

それに唯一の男子部員である部長は、わたしが緊張せずに話せる唯一の異性でもある。



「ああ、だからか」


矢野くんは鼻で笑うように言った。


「だから仲良しな部長になら負けてもいいやって?」

「そんな言い方……」


ひどい。

そう思った。でも言えない。


負けてもいいや、とあの時思ったわけじゃないけれど、部長が一位なら当然だとは思ったのだ。

完成させられなかったのは申し訳なかったけれど、部長に負けて悔しいとは、正直みじんも思わなかったのは確かだ。