教室の奥をちらりと見て、部長がいたずらっぽく聞いてきた。
「か……っ!? い、いえ! 全然、そういうんじゃ! も、もうひとりの学級委員で」
「そうか。邪魔して悪かったかなと思った」
「もう、部長。からかわないでください……」
真っ赤になるわたしに、先輩は気安く頭を撫でてくる。
「ごめんごめん。じゃあ、僕はいくよ。顧問や部員には俺から伝えておくから、委員の仕事に専念してね」
「はい。ありがとうございます、部長」
「うん。じゃあ、また明日」
委員の仕事、がんばってね。
そう微笑んで、部長は美術室のある教科棟の方へと戻っていった。
どうしよう。まだ顔が熱い。
誤魔化すように自分の頬を強く撫でながら席に戻ると、なぜか矢野くんにじろりと睨まれた。
「いまのって、美術部の?」
「あ、うん。うちの部の部長……じゃなくて、元部長」
「一位の応援旗の人か」


