それが美術部部長の宮崎先輩だと気づき、慌てて立ち上がった。
「部長!」
すでに美術大学への入学が決まっている部長は、卒業ギリギリまで在部するらしい。
実は部長という役はとっくに2年生に引き継がれているのだけど、皆まだ宮崎先輩を部長と呼んで慕っていた。
わたしが駆け寄ると、先輩は申し訳なさそうに頭に手をやる。
「ごめんね、教室まで来ちゃって。沢井さん部活に来ないから、どうしたのかと思って」
「あ……っ!」
「黙って休んだこといままでなかったでしょう。ちょっと気になって様子を見に来たんだ」
「す、すみません! 連絡するのすっかり忘れていました!」
無断欠席なんてこれまでも、中学の時だってしたことがなかったのに。
サプライズの大役を任されたことで頭がいっぱいで、すっかり部活のことを忘れてしまっていた。
本当に抜けているというか、自分の鈍くささが情けなくなる。


