放課後、キミとふたりきり。


矢野くんのような強い人にはわからないだろう。

自信がないから言えない。否定されるのがこわいから言えない。

いつだって周りの目や考えばかりが気になって、自分の気持ちは自然と後回しになる。


そうしなきゃ不安でたまらなくなるわたしのような弱い人間の気持ちは、彼にはきっと一生わからないだろう。



「これ、体育祭の応援旗。これもクラスごとに点数ついて、総合順位に影響したじゃん」


矢野くんがぴらりとめくって見せてきたのは、応援旗を囲んで撮ったクラス写真だ。


「沢井が描いた応援旗、すげーかっこよかったよ」


そんなこともあったなあと、数ヶ月前のことを懐かしく思った。

体育祭では活躍なしだったわたしだけれど、クラスごとに掲げる応援旗を任されて、その部分では少しは役に立てたと思う。



「でも、順位は全然ふるわなかったけどね……」

「は? 4位って充分すげーだろ」

「だって、旗は未完成で、当日になっても終わらなかったから……みんなに申し訳なくて」