「そう。忖度だよ。うん」
「たいして俺らに得のない忖度だな」
「それはそうかも」
なんとか誤魔化せたようで、ほっと胸を撫で下ろす。
今回はうまく危機を回避できたけど、これじゃあ心臓がいくつあっても足りない。
自分でも嘘が下手なことはわかっているし、本当にこの役、向いていないと思う。
改めて切実に、いまからでも誰かに代わってほしいと願った。
ペタペタと切った写真を貼り進め、新しく追加されたものを手にとった。
「あ……。写真、今度は体育祭のだね」
初夏にあった体育系イベントだ。
わたしが手にとった写真には、ドッジボールでボールが頭に当たった瞬間の栄田くんが映っていた。
そのすぐそばで、矢野くんが大笑いをしている。
いい写真だなあと、ついじっと見つめてしまった。
あとでこの写真のデータ、もらえないかな。


