さすが矢野くん、鋭い。
わたしはそんなところ全然意識していなかった。
ここでわたしが動揺してはダメだ。
バレてしまう、と自分に言い聞かせ笑顔を作る。
「そ、そう? あ、でもほら。担任の写真ってなかなか撮らないし、あんまり小森先生の写真がなかったのかも」
「そうかぁ?」
「そうだよ! こ、こっちの集合写真には写ってるよ、小森先生。それに、わたしたちが卒業とかしたあとも、これをたまに眺めて思い出してもらえるだろうし。だからわたしたちの写真がいっぱいでも、おかしくないんじゃないかなっ」
必死にフォローしようとするわたしに、矢野くんは探るような目を向けてくる。
「いやに力説するな、沢井」
「えっ。そ、そんなことは……」
内心ダラダラを冷や汗をかいていると、彼はふと息をついて視線を落とした。
意外と長いまつ毛が下まぶたに影をつくる。


