日常の体温、特別の鼓動



彼女の姿を初めて見た瞬間は、少し驚いた。

それだけだ。

見る人が見れば、彼女の姿を「特別」だと感じるかもしれない。

当然と言おうか、彼女は警戒して遠慮して拒絶してばかりだった。


でも、ぼくにとっては、ハッキリ言って、大した問題じゃなかった。


彼女の「日常」とぼくの「日常」が思いがけず、つながっていた。

ちょっとずるい考えかもしれないけれど、ぼくはその偶然が嬉しかった。