日常の体温、特別の鼓動



ぼくは案外、がさつなんだな。

そう気付いてしまった日があった。


クッキーを焼いて、彼女に持って行った。

ラッピングがいい加減で、彼女に食べてもらうときには、割れたり欠けたりしたものばかりだった。


かえって食べやすいからいい、とぼくに告げた彼女のクールな口調に、ぼくは恥ずかしくなった。

詰めの甘い自分が情けない。


今回は、同じ失敗をしたくない。

実用性第一で見た目は関係ないと言う彼女も本当は、きれいなものやかわいいものが好きな17歳の女の子だ。