妖狐と私




「葵。」




私が優陽から目をそらした瞬間、優陽が私の名前を呼んだ。




「はっ……はい!」




バッと勢いよく優陽が座っている右側に顔を向ける私。


優陽が初めて私の名前を呼んでくれて、少し嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった。




 優陽が私の名前……呼んでくれたっ。


 でもなんかちょっと……恥ずかしい……。


 だって、妖怪だけど……一応男の人だし……。


 でも、嬉しいな……。




「葵は、どうして一瞬でも「死にたい」なんて思ったんだ?」


「え?」