蛹の涙


「・・・・ところで、転校、と仰っていましたが本当に______」

「敬語はダーメ!」

・・・そのタイプか。

「本当に転校生なの?」

「そういうことにしといて~」

違うんだね。

ある意味わかりやすくていいけど・・・色々めんどくさくなりそうだ。

それにしても、本当に、何でやねんこんな私にかまうんだ。

特に東雲(シノノメ)さんとは会ったことすらない。

会ったことすらない人間に、どうしたら情が沸いてくるんだか・・・・私にはわからない。

「あっ、そうだ!!大事なこと言い忘れてた!」

「何です___」

「敬語」

「・・・・何?」

東雲さんは、私がそう聞き返すと、目をキラキラ輝かせながら、私の机をバンッと両手で叩き、こちらを見つめてくる。

「私のことはきっくーって呼んでね!」

にこっ。





・・・・・・・厄介だ。