恋の後味はとびきり甘く

「でしたら、ニットワンピースはいかがですか？　鉄板中の鉄板ですよ。ブーツと合わせるスタイルが人気です」

　店員さんが言って、ワンピースコーナーから生成りのケーブルニットワンピースを手に取って戻ってきた。

　よく雑誌で見かけるようなざっくりした編み目のワンピだ。

「こ、こういうのって、私くらいの年齢の女性が着てもおかしくないでしょうか」

　おどおどする私に、店員さんが自信たっぷりの笑顔で答える。

「もちろんです。ぜひ試着してみてください」

　店員さんがワンピースを持って奥のドアを示すので、私は促されるままそのフィッティングルームへ向かった。

　開けられたドアから中に入り、着てきた服を脱いでニットワンピに着替えた。

　うーむ。さすがに私が着ると、丈が短い気がする。

「いかがですかぁ？」

　店員さんの声が聞こえてきて、私はおそるおそるフィッティングルームのドアを開けた。

「よくお似合いですよ！」
「そ、そうですか？　なんか、丈が短い気が……」
「膝丈なのがいいんです！　脚が長く見えますよ」