【海翔side】
めんどくさい素性の知らない女が来た。
今時ギャルって感じの高校生。
化粧のせいで完全に同じ年ぐらいだと思って、ホテル連れ込み大失敗。
判断ミスした、俺のバカ……。
朝、化粧落とした顔を見ると年相応の幼さ。
金髪が浮いてるぐらいだ。
しかも、アイツ俺のこと知らない。
見た目は今時ギャルのクセに。
俺、一応人気バンドのボーカルだし。
『フルール』ってバンド知らない女子高生いるんだ……。
音楽番組には必ず出てんのにさ。
知名度足りねぇな……。
「ったく、お前また女連れ込んでたろ。ゴシップ潰す身にもなってみろ‼︎」
「すんませーん。倉吉サン」
「はぁ〜…。しかも、声幼かったけど歳大丈夫か⁉︎」
「16だってさ。さすがに手ぇ出さなかったけど…」
「当たり前だ‼︎ボケ‼︎」
車内で罵声を浴びせてくる倉吉。
俺のマネージャー兼バンド統括責任者。
オールバックに着崩したスーツが特徴的。

