【海翔side】
こもった空気が漂う、俺らの地下スタジオ。
メンバーとアルバム発売に向けての打ち合わせ中。
なんとなくスケジュール確認をしていると、ふと手帳の文字が目に入った。
〝ホワイトデー〟
もうそんな時期か……。
今まで、それほどお返しとか気にしてなかったけど…。
澄音に何返したら喜ぶんだ?
つーか、一緒に住んでるクセに俺は澄音の好きなモノとか全然知らねぇ。
彼氏としてどうなの、これ……。
しかも、ホワイトデーも普通に仕事入ってるし。
「…って、おい。海翔〜。聞いてるか」
「ん⁉︎何⁉︎アルバムの選曲?」
「その話はとっくに終わった。今年のライブの演出だよ」
「わりぃ…」
一輝が呆れた顔で、ライブの演出表を見せてくる。
仕事にまで澄音を持って来たらダメだよな……。
「やっぱ超盛り上がる感じにしたくない⁉︎アップテンポ多めに‼︎」
「ヤダ。疲れる。俺、愛斗みたいに元気バカじゃない」
「嶺‼︎俺、一応年上だかんねっ‼︎」
普通、ライブのことで頭いっぱいになるはずなのに…。

