バレンタイン後は休み無しで、働き詰めの海翔さん。
今年の夏からスタートするライブの打ち合わせが忙しいんだって。
やっと1週間振りに帰って来た日のこと。
「俺の家だ〜…。久し振り」
「家じゃなくて、あたしに言ってよ‼︎」
「あははっ‼︎すげーブサイク面‼︎いじけんなよ」
人の頬を摘まんで、面白そうに笑う。
やっぱ笑顔もどこか疲れてるな……。
「澄音。悪いけど、これ全部洗濯頼むわ」
「うん。ってことは…今日はお休み⁉︎」
「残念ながら今月はちゃんとした休みねぇの。新しい着替え取りに来た」
「そっか…。仕事ばっかで疲れないの?」
「すげー疲れるよ。でも、俺好きでバンドやってるから」
クローゼットから洋服を取り出す横顔は、どこか楽しそうだった。
仕事人間め……。
なのに憎めない…。
すると、海翔さんはふと手を止めた。
「…澄音」
「なに?」
「寂しいか?」
どうして今更分かりきった質問?
寂しいに決まってるから……。

