ボーッとするあたしに、缶ビールを飲み干した海翔さんがニヤッと笑う。


「俺は澄音がくれるなら、なんでも良い」

「バレンタインの話ってバレちゃった…?」

「これで隠してたつもりか⁉︎ははっ‼︎嘘下手くそ〜」

「だって‼︎海翔さんに喜んでほしいんだもん‼︎」

「可愛いー。期待して待ってるな」


ケラケラと笑ったまま頭を撫でてくれる。


子供扱いされてる気分だけど、甘やかされてるみたいで好き……。



海翔さんには、最高に美味しい愛情込めたチョコ作ってあげるね。




スマホでレシピを探したり、バレンタイン特集の本を読み漁った結果。


今年は、ちょっと苦めなガトーショコラに決定‼︎


当日まで秘密にしたいから、海翔さんがいない日を狙い試作品を作る。


学校に持って行き、試食は瑠奈に頼んだ。


「ヤバイ‼︎ヤバイ‼︎」

「えっ⁉︎美味しくないかな…?」

「違うよっ‼︎超美味しいの‼︎甘さ控えめの大人向けって感じ‼︎」

「ありがとう‼︎じゃあ、お砂糖の分量も決まり、と…」


ビターチョコで作り、お砂糖少なめ。


今からドキドキして来た〜‼︎