【海翔side】
まだ1月だけど、今年一番びっくりしたことがある。
あの人見知りの激しい嶺が澄音に懐いた……。
マジで有り得ねぇから…。
早朝から、事務所の地下のスタジオで音合わせ。
今日の生放送のために、綿密な打ち合わせ中。
仕切るのはリーダーの一輝。
「今日、2曲やるから楽譜きっちり頭ん中入れとけよ。んで、海翔は歌詞な」
「もうバッチリ叩き込んだっつーの」
「よし。じゃあ、あと1回音合わせたら終わりな〜」
テレビに出て仕事をしてる時より、大勢の前でライブするより………
俺はスタジオでギター弾いて歌ってる方が好きかも…。
夕方、テレビ局にスタジオ入りして夜に生放送に出演。
正直、何回もテレビ出てるけど生放送だけは慣れねぇ…。
「お疲れ〜‼︎ねぇ、一輝‼︎これから飲みに行かない?」
「俺、彼女が家で待ってるからパス。また今度な〜」
「え〜‼︎海翔は⁉︎」
「俺も無理だな」
「嶺はまだ飲めないし…。みんな女の子作ったらつまんないー‼︎」
愛斗がギターを抱えたまま膨れる。
彼女の存在は特別だ。

