そして、時が経つこと7ヶ月後の春。


あたしと海翔さんの元に、新しい命が誕生した。



病院の個室部屋で抱っこしていると、ガラガラ‼︎と勢い良く開いたドア。


起きちゃうってば‼︎


「澄音‼︎大丈夫か⁉︎側にいてやれなくて、ごめん‼︎」

「ツアー中なんだから仕方ないよ‼︎それよりも……可愛いでしょ?」

「すっげー可愛い…。泣きそ…」


あたしの腕の中を覗き、涙目の海翔さん。


生まれて来てくれたのは、元気過ぎる男の子‼︎


名前は、怜音(レオ)君。


海翔さんがどうしても、あたしの名前から一文字取りたいって言うから〝音〟を使った。


「海翔さんも抱っこしてみて‼︎」

「お、おう…。ちっさいな〜…。怜音あったかい…」

「でも、助産師さんが怜音は大きい方って言ってたよ〜」

「そっか〜。心もデカイ人間になってほしいな」


すっごく嬉しそうな顔。


あたしも嬉しくなっちゃう。