元々家出する前から家事は得意だった。
母子家庭で、お母さんの仕事が忙しいから自然と家事は身に付いて……。
だけど、誰かに何かをしてあげる喜びは最近知った。
海翔さんちに居候してからね?
「お、うまそ。何作ってんの?」
「ポトフ。でも、海翔さんお腹いっぱいでしょ?おつまみめっちゃ食べてた」
「全然食えるから。俺、けっこー大食いだし‼︎」
「じゃあ…一緒に食べよ‼︎」
あたしの頭を撫でて笑ってくれる。
きっと、お腹いっぱいなはずなのに………。
これも海翔さんの優しさだ……。
「澄音って料理うまいよな。普通に主婦出来そ」
「うち、お母さんしかいないから。家事はあたしの仕事だったの」
「そっかー。俺んちは両親共働きで帰り遅かったけど、なんも出来ねぇよ?」
「だって海翔さん不器用そうだもん‼︎」
「悔しいけど反論出来ねぇ……」
話す度にお互いの新しいことを知る。
優しさにも多く触れる。
なのに、なんでだろうね。
優しくされてるのに胸が苦しい……。

