そんなあたしの前に差し出した薔薇の花束。
玄関先が良い香りに包まれる。
「俺には澄音が必要だ。こんな俺だけど、ずっと側で支えて下さい。…お願いします」
「はい…っ。あたしこそ、よろしくお願いしますぅ〜‼︎」
「うわっ‼︎お前、ちょっ、鼻水‼︎汚ぇ‼︎」
嬉し涙で化粧もぐちゃぐちゃ〜‼︎
たくさんの薔薇の花束と、海翔さんの甘い言葉から、愛情がたっぷり伝わった。
本当に心から大好きな人。
あたしも、ずっと、ずっと側にいたい。
「じゃあ…俺んち帰るか‼︎」
「ええっ‼︎でも、荷物とか…」
「そんなの後で良いんだよ。まずは、お前を連れて帰りてぇ」
「…うん‼︎連れてって?」
「仰せのままに。お姫様」
手を差し出され握り返せば、お姫様気分。
海翔さんが王子様なんてぴったりだよ。
車で久々に帰った海翔さんのマンション。
約1ヶ月程度離れてただけなのに、懐かしく感じちゃう‼︎
「おかえり、澄音」
「えへへっ‼︎ただいま‼︎海翔さん…」
ただいまのキスも久し振り…。

