溺愛キケン区域!!




久々に浴びるほど酒を飲んだ。


夜中までずーっと。


「おい、海翔‼︎飲み過ぎ‼︎」

「あと、1缶だけ…」

「ダメだ‼︎明日、仕事だぜ?これ以上飲んだら支障出る‼︎」

「そんなの分かってるっつーの‼︎これで終わりにすっから……」

「はぁ〜……。俺もう寝るから。飲み過ぎんなよ」


リビングに取り残された俺。


愛斗と飲んだビールの空き缶が、テーブル中に転がる。



こんな日は飲まねーと、やってられないって……。


テーブルに突っ伏して目を閉じても眠りにつけない。


澄音の泣き顔だけが浮かぶ。


俺は、アイツの笑顔が好きなのに…。


ただ、2人で幸せに暮らしたかっただけなのに……。


俺らは、こんなに恋愛するのに厳しい環境なんだな。



ほんとは俺だって離れたくなかった。


少しの間だから…って思っても心にモヤが霞む。


気付けば、目頭と喉が熱くなる感覚。


熱い雫は頬に一筋流れた。


「ははっ…俺、カッコわるー…」



澄音の卒業式の日、必ず俺は迎えに行くから。


それまで、お互い頑張ろうな。


そっと目を閉じて眠りについた。