マンションに帰宅した夕方。
こんな日に限って、珍しく記者達はいなかった。
そして、家の鍵を開ければ制服姿の澄音が抱きついて来る。
「おかえり〜‼︎海翔さん‼︎」
「ただいま。お前は犬か‼︎」
「犬じゃないよ‼︎海翔さんの彼女です」
澄音の率直な言葉に、胸がチクッと痛む。
お前は俺の大切な彼女だ……。
「…澄音。大事な話して良い?」
「うん、良いよ」
俺はジーパンのポケットから鍵を出して、澄音に渡した。
澄音の高校に近いアパートの鍵。
「鍵?なんの鍵?」
「澄音が卒業するまでの約1ヶ月間。別々に暮らそう」
「えっ…。嘘でしょ?なんで⁉︎」
「同じマンションにいる事は分かられてる。だから、別々に暮らした方が安全だし…」
「ヤダ‼︎ヤダ……ヤダよぉ…。海翔さんの側にいたい…っ」
泣かせるつもりはねぇんだ。
泣きじゃくる澄音を抱きしめると、俺まで苦しくなった…。
「お願い…っ、1人にしないで…」
「卒業したら絶対迎えに行くから…。だから、待ってろ」
お前と幸せになるために選んだ方法。
俺だってツライ……。

