仕事中、移動する先々で待ち伏せされてる俺ら。
事務所から局に着き、車から降りた所を記者達から質問責め。
「熱愛報道について、今回は本命と出ていますが‼︎」
「今回の熱愛認めますか⁉︎」
「あはは…その話は、また今度で…」
笑って流すしかねぇ。
俺だけなら良いけど、なぜか質問はメンバーにも飛ぶ。
「片桐一輝さん‼︎リーダーとして、熱愛報道をどう受け取めますか⁉︎」
「えっ⁉︎いや〜…メンバーの恋愛事情まで知りません」
迷惑掛けまくりじゃんか…。
フルールの楽屋に到着してやっと落ち着く。
「ははっ‼︎海翔、記者達からモテモテだねぇ‼︎」
「おい、愛斗。なんも嬉しくねぇからな…。つーか、迷惑掛けてわりぃ…」
「仕方ねぇよ。俺だって、いつ芽依子の事バレるか分かんねぇし」
「それだけ、俺らが人気者って事で良いじゃん」
「お前ら……」
初めて、こんなにメンバーに感謝したかもしれない。
コイツらのおかげで何があっても、仕事は頑張ろうと思えた。
これは、噂が自然消滅するのを待つしかねぇな。

