軽率な俺もバカだった。
悪いのは俺だよ。
でも………。
「嫌だ。アイツだけは離したくねぇ」
「何言ってんだ‼︎グループ潰す気か⁉︎」
「俺は、アイツと別れるぐらいなら全部辞めてやる」
シーンとした重たい空気が漂う。
倉吉は呆れた様子で溜め息を吐いた。
「お前の言ってる事は、ワガママだ。帰って少し頭冷やせ」
ワガママ、か……。
澄音といる事は、単なるワガママなのか?
悩むより先に家に帰れば、真夜中でも澄音は起きて待っててくれた。
「おかえり、海翔さん」
「ん、ただいまー」
「ねぇ……何かあった?大丈夫?」
「えっ、俺?なんで?」
「なんか…悩んでる顔してる…」
そっと俺の頬に触れた冷たい指先。
澄音にも、バレバレじゃん。
「なんでもねーよ。疲れただけ‼︎」
「そう?それなら、今日は遅いし早く休んでね」
「ありがと…」
「海翔さん?やっぱり、今日ちょっと変だよ…」
抱きしめたのに、不安気な顔。
澄音にも見破られる様になったか…。

