なのに、あたしと一緒にいる時はそんな素振りさえ見せない。
いつもの優しい海翔さんだ。
寝不足してるクセに……。
「うわっ…今日も仕事行くだけで一苦労だな」
「まだ記者の人達集まってるの?」
「あぁ。念入りにカメラの手入れまでしやがって‼︎」
カーテンの隙間から下を覗き、ケラケラ笑う。
ほんとは海翔さんだって大変なはず…。
無理してほしくないな……。
「ねぇ、海翔さん。無理しないでよ?あたし海翔さんの力になりたい‼︎」
「ありがと。その気持ちが嬉しい」
「あたしじゃ頼り無い…?」
「そんな事ねぇよ。お前がいるから頑張れる」
そんな真面目な顔で言われたら、何も言えないよ……。
でも、海翔さんの言葉ちょっと嬉しかった。
「じゃ、仕事行って来る‼︎テレビとか、あんま観んなよ」
「了解‼︎行ってらっしゃい‼︎」
「行って来ます」
額にちゅっと落とされたキス。
あたしは何があっても、海翔さんの側にいるからね。

