【澄音side】



夕方のテレビのワイドショー。


画面には〝フルール黒宮海翔‼︎一般人と交際報道〟なんて文字。


どうしよう……。


このニュースは絶対にあたしの事だ‼︎


〝黒宮さんのマンションから出て来た一般女性が、黒宮さんが入院していた病院へ頻繁に‼︎〟


その行動は完全にあたしです…。


ついテレビに見入ってると、プチっとテレビが消された。


海翔さんだ……。


「すげーなー。俺、めっちゃ人気者になってんな‼︎」

「ごめんなさい…。あたしのせいだ…」

「なんで?澄音は、なんも悪い事してねぇよ。はい、笑顔〜」

「うぅ…っ」


ニコッと笑う海翔さんが、あたしの頬を摘まむ。


こんな時まで優しいんだ。


「ただ、一つ約束がある」

「約束?」

「ん。冬休み明けるまで、絶対に外出るなよ?分かった?」

「うん…。分かった」


理由は分かってるよ。


マンションの前には、たくさんの記者達がいるから。


あたし、どうしたら良いの……。